遺産分割協議書のひな形を使って相続登記するときの注意点



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遺産分割協議書のひな形、
インターネットで探していませんか??

遺産分割協議書は相続登記のときに法務局に提出するほか、
銀行預金の名義変更や解約、自動車の名義変更手続など
あらゆる相続手続に必要となる書類です。

相続手続に使うために、
遺産分割協議書のひな形を手に入れて
相続登記などの相続手続を済ませてしまいたい
と思うのも無理はありません。

でも、この遺産分割協議書は
書き方とその後の相続の手続方法によっては
相続人の間でトラブルになったり
税金が課税されてしまうことを御存知でしょうか??

遺産分割協議書を相続手続に使うのはその一面に過ぎません。

本来、遺産分割協議書は
相続人の間で交わした約束ごとを書面化したものです。

後日相続人同士でトラブルになったときは
その約束を証明する書面でもあるのです。

さらに、場合によってはこの遺産分割協議書が
税務署が税金の課税の有無を判断する資料にもなります。

例えば、相続人のひとりに相続登記をしたあと
不動産を売却してその代金を相続人で分けた場合、
お金のやり取りを行うことを遺産分割協議書に書いていないと
相続人に渡した代金は贈与したものと判断されます

このようなことを行う場合は、
「誰の名義にするのか」
「売却するときの経費の範囲とその取扱い」
「どのように分配するのか」
といった話し合いに基づき、

・相続登記がきちんと受け付けられる
・その約束が相続人以外の第三者でも理解できる
・相続人が意図しない課税が生じない

以上の点を検証して
書き方を工夫しなければいけません。

GoogleやYahooなどで検索すれば
遺産分割協議書のひな形やサンプルが沢山出てきますが、
安易にこのひな形どおりに遺産分割協議書を作ってしまうと、
後日法律や税金のトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。

遺産分割協議書にひな形はない!

遺産分割協議書を作成するときに
最初に理解しておきたいことは、

遺産分割協議書に決まった書き方があって、
そのとおりに作らないといけない

という考えから離れることです。


これは、法務局でもらえる相続登記の添付書類としての
遺産分割協議書のひな形でも同じことです。

法務局にとっては相続人の細かい約束や
税金の課税の有無などはどうでもいいことですから、
とにかく相続登記が受け付けられれれば良いという立場です。

ですから、名義変更をした後に不動産を売却して
その代金を相続人で分けることや

不動産をもらった人が、財産のバランスを調整するために
他の相続人にお金を支払う

といった相続人間の約束には一切対応していません

実際のところ、遺産分割協議書に下記の条項さえあれば、
一般論として相続登記は可能です。

相続人 ○○ は、下記の不動産を相続(取得)する


可能だからこそ、あまり検討せずに
「相続登記ができればいいや」と
このような内容で遺産分割協議書を作成し
後日トラブルになってしまうことがあるのです。

ただし、これと引き換えにお金や不動産を渡す約束、
売却して現金化して分配するような場合は、
これに対応する内容が遺産分割協議書に記載されていないと、

相続手続の中で渡した現金や不動産が
贈与として扱われ課税されるといった
税務上の問題が起こったり、

「約束した現金を支払ってくれない」
といったトラブルが起こったときに
裁判でも約束したとおりの解決が難しくなってしまいます。


まとめ

このように、相続登記の後に不動産を処分して代金を分けたり、
誰かひとりが不動産を相続する代わりに相続人間でお金のやり取りをする場合、
遺産分割協議書の条項には十分注意する必要があります。

このようなトラブルが起こらないよう
法律・税務上問題のない遺産分割協議書を作るためには、
その前提となる遺産分割に関する
法律や税金の実務の知識が必須です。

約束の内容を無視して
とにかく不動産の名義変更を終わらせるためだけに
遺産分割協議書のひな形を使って
相続登記をするのは危険です。

どうしてもひな形やサンプルを使って
遺産分割協議書を作るなら、
少なくとも相続人間で交わした約束が
含まれているものを使用するようにしましょう。

また、遺産分割協議書については
下記の記事も参考にしてみてください。

遺産分割協議書を作るときの4つのポイント


↓ ↓ ↓

 

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