司法書士が教える相続登記の3つの注意点



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相続が開始すると、
不動産の名義変更=相続登記
をすることになります。

相続登記は、決められた必要書類を揃えて
法務局に不動産の登記を申請するという手続きです。

これだけをみると、
相続登記は書類だけの簡単な手続きに見えますが
実はそうではありません。

相続した不動産の調査や
「誰の名義にするか」といった遺産分割協議など
相続登記を申請するまでの準備をしておかないと、

将来、不動産を売却したり、
次の相続対策のために生前贈与や民事信託を活用する場合など
あなたにとっての重要なタイミングで
余計な手間や費用が必要になったり、
改めて漏れていた相続登記をしなければいけなかったり、
最悪の場合、不動産を動かせないこともあります

今回は、せっかく相続登記をしても
こんなトラブルが起こらないように、

日常的に不動産の名義変更のアドバイスと
毎日のように相続登記を申請している
司法書士の目線から、相続登記を失敗しない上で
絶対に外せないポイントをお教えします。

相続登記の手続き前に確認するポイント

最初にお伝えしたとおり、
相続登記では法務局に添付する書類よりも
その前の準備が大切になります。

なぜなら、相続登記では
手続き前の調査や準備の失敗が
登記申請書や添付書類の失敗に
そのまま結びついてしまうからです。

これからご説明する相続登記の3つのポイントは
私たちがお客様へアドバイスする際に
実際にお伝えしているものです。


相続登記では非課税の道路に注意

例えばご自宅の前の私道については、
通常は固定資産税が非課税になっているため
お亡くなりになった方の名義になっていても
固定資産税の課税明細や名寄帳に載っていません。

そのため、十分に不動産を調査しないまま
相続登記を進めてしまうと、
この私道の相続登記が漏れてしまうことがあります。

ここだけの話、、、
弁護士、税理士、行政書士、司法書士!
など相続に詳しいとされている専門家が関わった
相続手続きでもこの私道の相続登記が漏れていることもあります。。。

私道にそれほど財産的な価値はなくても、
土地建物と隣接していて一緒に取引するものなので
この相続登記が漏れているだけで
将来不動産の売却ができなくなることがあるのです

もし、後日漏れていた相続登記を再度行う場合は、
最初からやり直すことになります。

つまり、相続人全員の遺産分割協議書へのサインや押印、
そして印鑑証明書のもらいなおしが必要になるということです。

相続の当時は問題なく書類が集まっていたとしても、
そのときにもう一度実印を押してくれるかはわかりません。

ただ単にやり直しの手間や
相続登記の費用だけの問題ではありません。

相続登記自体ができないケースもあります

このように、相続登記をするときには
法務局の図面や地図を使った不動産の調査が必須です。


不動産を「誰の名義にするか?」は重要

相続登記の手続きから考えると、
相続のときの名義変更は生前贈与など
その他の名義変更の登記手続きと比べて
登録免許税がなんと1/5で済みます

また、不動産取得税も非課税です。

つまり、相続登記は
低コストで不動産の名義変更をするチャンスでもあります。

そして、このチャンスは1度きり。

一度相続登記をした後、
別の相続人に生前贈与などで名義変更しようとすると、
登録免許税は5倍、不動産取得税も課税されます。

このように、相続登記で「不動産を誰の名義にするか?」
という部分はよく考える必要があります。


また、不動産を共有名義にする相続登記も
司法書士の目線からはあまりお勧めできません。

共有名義とは、例えば兄弟で不動産を半分ずつ持つ
といった名義変更を指します。


・共有にするのは簡単。でも一度共有になった不動産を解消するのは難しい

相続登記で共有名義に変更することは、
そのような相続登記の申請書を法務局に提出するだけなので
とても簡単です。

でも、後日これをご家族の誰かひとりに名義変更をする、
つまり共有を解消しようとすると
改めて相続登記の5倍の税率の登録免許税や
相続では非課税となっている不動産取得税など
大きなコストを負担しないと解消できません。


・共有の不動産は賃貸や売却する場合に、全員の合意が必要

共有の不動産は全員の意見を統一しないと、
賃貸や売却など不動産を動かす手続きができません。

具体的には、相続で共有名義になった中の
たったひとりでも契約書に印鑑を押してくれなければ、
不動産が動かせないということです


相続登記で誰の名義にするかはもちろん自由です。
しかし、よく考えずに手続きしてしまうと
将来いらない費用負担や問題を抱え込んでしまうかもしれません。


相続登記は必ず相続手続きのタイミングで

「相続登記に期限はありますか??」

これは、よく聞かれる相続登記に関する質問です。


相続登記に法律で決められた期限はありません。

でも、相続した不動産を売却するときや
生前贈与や交換をして名義変更したいとき、
使っていない空き家を潰して土地を活用したいときなど

不動産について大きな契約をする場面では
相続登記を終わらせていることが前提になります。

相続登記をせずに名義変更を放置していると
そのうちに相続人がお亡くなりになることがあります。

この不動産の名義変更をせずに
相続が2回以上起こった状態を
数次相続と呼びます。

この数次相続になってしまうと相続登記の難易度が
格段に上がってしまいます。

相続登記の費用、
登録免許税や司法書士の報酬が
高くなってしまいます。

何よりも一番の問題は、
数次相続では相続人の数が多くなってしまうので
連絡がつかない相続人や話がまとまらない相続人が現れて
最悪、相続登記ができないケースがでてくることです。

相続登記ができないと売却もできないので、
不動産を一切動かすことができなくなってしまいます。

このように、相続登記に法律上の期限はありませんが、
相続が発生したタイミングで、できるときにやっておかないと、
本当に必要になったときに相続登記ができるとは限りません。

ですから、相続登記の期限がないからといって放置せず、
必ず相続手続のタイミングで、他の財産と一緒に
相続人に名義変更しておくことをお勧めします。


相続登記の注意点まとめ

相続登記は法務局に書類を提出する手続きです。

司法書士の目線から見ると、
注意しなければいけないのは法務局への添付書類よりも
その前提となる不動産の正確な調査や、
どの相続人に名義変更をするか、といった
手続き前の準備や検討をきちんとやっておくことの方が大切です。

また、相続登記に期限はなくとも、
他の相続手続きと同じタイミングで
不動産も相続人に名義変更をしておきましょう。

不動産の売却の際など、いざというときに
「相続登記が漏れていた!」
「相続登記ができない!」
と慌てずに済むはずです。


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相続の専門家と呼ばれる人たちでも
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私たち司法書士・FP 新風リーガルサービスでは、
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相続登記を行う前に、
その報告書を作成しお客様にお渡ししています。



相続登記のときに不動産の漏れを防ぎ
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誰の名義にするかも含めて、
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