これで完璧。相続放棄の手続の流れ



これで完璧。相続放棄の手続の流れ写真

相続放棄は、簡単に言えば家庭裁判所に「相続放棄申述書」という申立書を提出する手続です。

とはいえ、相続放棄を失敗なくスムーズに手続を行うためには、
「いつ、どのような順番で、何をしなければいけないのか?」
という手順を知って、
順序立ててひとつひとつ進めていくのがカギになります。


さて、相続放棄の手続は、大体次のような手順で進めていきます。

①管轄の家庭裁判所を調べる
②相続放棄の必要書類を調べてリストアップする
③相続放棄の必要書類を集める
④相続放棄申述書を書く
⑤相続放棄申述書を家庭裁判所に提出する
⑥家庭裁判所から送られてくる照会書に記入して返送する
⑦家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届く
⑧相続放棄申述受理証明書の交付を受ける(必要なとき)


これだけでは、なかなか頭に入ってこないと思いますので、それぞれ具体的にみていくことにします。

相続放棄の具体的な手順

管轄の家庭裁判所を調べる

相続放棄を管轄する家庭裁判所は、

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所 です。

相続人の住所地ではないので、注意しましょう。

管轄については、下記の裁判所のサイトで調べることができます。
(裁判所「裁判所の管轄区域」へ飛びます。)

http://www.courts.go.jp/saiban/kankatu/index.html


相続放棄の必要書類を調べてリストアップする

相続放棄の標準的な必要書類としては、

・相続放棄申述書

のほか、

・被相続人の住民票除票または戸籍の附票
・被相続人と相続放棄する相続人との関係性を証明する戸籍、除籍、改正原戸籍謄本
・収入印紙
・郵便切手(金額は管轄で異なります)

などが必要になります。

管轄の家庭裁判所や事情により、その他の書類が必要になることもあります。
事前に確認するようにしましょう。

詳細な相続放棄の必要書類については、こちらも参考にしてください。


相続放棄の必要書類を集める

・相続放棄申述書 → 管轄の家庭裁判所(ホームページからダウンロードもできます。)

・住民票除票、戸籍謄本(附票も含む。) → 住所地または本籍地の市区町村役場

※お近くでなければ、郵送で交付請求もできますので、各自治体のホームページなどで確認してください。

・収入印紙、郵便切手 → 郵便局で購入


相続放棄申述書を書く

必要書類が集まったら、相続放棄申述書を書きます。

表面は申立人や被相続人など基礎的な情報を記載する欄になりますので本籍地や住所など集めた証明書どおりに正確に記入するよう注意しましょう。

裏面は、相続放棄に関する事情の部分です。相続放棄の申述の理由を書きます。

具体的には、

・相続の開始を知った日
・放棄の理由
・相続財産の概略

について記入する箇所があります。

原則として本当のことを書けば問題ありませんし、資料も必要ありません。

しかし、相続の開始を知った日が故人が亡くなった日と異なる場合などは裏付けが取れる資料を提出した方が良い場合もあります。(債権者からの催告書など)


相続放棄申述書を家庭裁判所に提出する

書類が完成したら、いよいよ家庭裁判所にその他の必要書類と一緒に提出します。

家庭裁判所がこの相続放棄申述書を受け取る日までが熟慮期間です。

ですから、必要書類や記載事項の不備なく提出できれば一安心です。
もちろん管轄の家庭裁判所も間違えないようにしてください。
提出前にもう一度よく確認しましょう。

さて、相続放棄申述書は管轄の裁判所へ直接持って行く以外にも、郵送で送ることもできます。

ただし、郵送は便利な方法ですが、家庭裁判所に到着したときが受付日になりますので、十分余裕を持って送るようにしてください。

また、書留郵便やレターパックなど追跡できる郵便にしましょう。
間違っても普通郵便で送らないように!!


家庭裁判所から送られてくる照会書に記入して返送する

相続放棄申述書が問題なく受け付けられると、1~2週間くらいで家庭裁判所から相続放棄についての照会書が送られてきます。

中を見ると、相続放棄申述書に書いたようなことをもう1回書くようになっていますので「何のために?」と思われるかもしれません。

これは家庭裁判所が

「あなたが相続放棄をすることに本当に間違いないか?」

ということを確認するためのものです。

相続人の住所地に照会書を送ることで、念のための確認をしているだけですので身構えずに正直に回答すれば大丈夫です。


家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届く

照会書の返送後、その他不備がなければ大体1~2週間程度で「相続放棄申述受理通知書」が届きます。

これを受け取れば相続放棄の手続は完了です。

この通知書自体は手続には使えませんので、債権者への連絡に同封する、他の相続人の登記手続などに使用するときは相続放棄申述受理証明書の交付を受けてください。


相続放棄申述受理証明書の交付を受ける(必要なとき)

相続放棄が受け付けられた証明書としては相続放棄申述受理通知書ではなく相続放棄申述受理証明書が必要になります。

相続放棄の手続を行った家庭裁判所に請求します。
必要書類等は次のとおりです。

【家庭裁判所で直接受け取る場合】
・受理証明申請書
・身分証明書(運転免許証、健康保険証など)
・相続放棄申述受理通知書(原本)
・認印
・収入印紙(150円/1通)

※収入印紙は家庭裁判所でも購入できます。

【郵送で受け取る場合】
・受理証明申請書
・身分証明書の写し(運転免許証、健康保険証など)
・相続放棄申述受理通知書(写し)
・認印
・返信用封筒
・返信用郵便切手
・収入印紙(150円/1通)


相続放棄の手続が終わった後は?

相続放棄の手続が終わったら、後日のトラブル防止や今後放棄した相続に関わらなくて済むよう、ケースに応じて次のような行動を取っておきましょう。

・債権者や大家、またはその代理人(弁護士など)へ連絡
・他の相続人、または次の順位の相続人へ連絡
・預っている財産の引渡し
・相続財産管理人の選任

相続放棄をしたからといって、何もかもがすぐに解決するとは限りません。

相続放棄を検討する際には手続の手順に加えて
「相続放棄後に自分が何をしないといけないか?」
という点まできちんと考えておきましょう。

思っていたよりも費用や手間がかかったり、追加の手続を改めて専門家に頼まないといけなくなったりすることもあります。

誰かに相続放棄の手続を任せるときには、単に安く手続を代行する専門家よりもゴールとその道筋を一緒に考えてくれる専門家を選ぶことをお勧めします。


↓ ↓ ↓

 


私たち新風リーガルサービスへのご相談は【全国対応】です。

オンライン面談にてご自宅にいながら、

司法書士とファイナンシャルプランナーの資格を持つ代表者に直接相談できます。

 


一部業務を除いて手続のサポートや代行も可能ですので、

ぜひお悩みや不安をご相談ください。

 

人気の記事