【Q&A集1】相続放棄のこんな疑問ありませんか??



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新風リーガルサービス代表司法書士の上羽崇之です。

相続放棄の手続がなんとなく分かってくると、
次に、自分にあてはめたときに

「こんな場合はどうなるんだろう?」
「こんなことしてしまったけど大丈夫?」

といった色々な質問や悩みが出てくると思います。

そこで、お客様からよくいただく相続放棄に関するご質問をまとめてみました。
相続放棄を検討されている方はぜひ参考にしてください。

事前に疑問を解消することで、
今のあなたの状況や考えがきっとスッキリして
次の具体的な行動のステップに進めるはずです。

なお、ご質問の種類には大きく分けてふたつあって、
今回は「一般」と「個別対応」に分けています。

「一般」は、回答を読むだけでおそらく解決するであろうご質問です。

例えば、本やインターネットを見れば大体同じことが書いてあって、誰でも調べられる程度のご質問です。教科書に載っているような知識的な部分です。

「個別対応」は、回答が判断する基準にしかなっていないもので、具体的にあなたのケースに当てはめて「判断」しないと絶対に解決しないご質問です。

専門家の目線から見ると、あなたが自分だけで判断するのは危険だと思われ、相談とアドバイスを受けられることをおすすめするご質問です。

もし、あなたの疑問や悩みがこちらに含まれているなら、専門家への相談をおすすめします。

このQ&Aは量が多いので2日間に分けて、それぞれ解説いたします。

今日は【一般のご質問】についてです。

相続放棄Q&A【一般】

Q.相続放棄をしたら、お墓に入れなくなるのですか?また、故人のお墓参りに行けなくなるのでしょうか?
A.相続放棄をすると民法上、初めから相続人でなかったものとして取り扱われますが、お墓を引き継ぐ権利には影響ありません。当然、お墓参りも自由です。相続を放棄しただけなので、ご家族やご親族の関係が奪われるものではありません。ご安心ください。

Q.私は故人の死亡保険金の受取人になっています。相続放棄をしたら保険金は受け取れないのでしょうか?
A.死亡保険金は故人の相続財産ではなく、受取人の固有財産となるため、相続放棄をしても保険金を受け取ることはできます。ただし、保険金の受取人が被相続人(故人)に指定されている場合は、相続放棄をすると死亡保険金も受け取れませんのでご注意ください。

Q.相続放棄すると税金への影響はありますか?
A.相続放棄をすると民法上、初めから相続人でなかったものとして取り扱われますが、相続税の総額を計算する際には法定相続人として取り扱われます。また、原則として他の税金への影響もありません。

Q.話し合いで何も相続しないのと相続放棄ではどう違うのですか?
A.まず、よく勘違いされていることですが「財産を放棄する」「何ももらわない」といった書面に署名押印することは、相続放棄とは全く異なりますので、実際に手続を考えるときには明確に区別してください。

その上で、相続放棄をすると、民法上初めから相続人でなかったものとして取り扱われるため、財産も一切もらえないかわりに、借金などマイナスの財産の支払義務も免除されます。

一方、遺産分割で何も相続しないというのは、単に相続人間の内部の取り決めにすぎず、債権者にはそのことを主張できません。つまり、債権者に対しては支払義務は依然としてあります。後日借金が見つかったような場合は、たとえ財産をもらっていなくても支払に応じないといけなくなります。

 このようなことがご心配なら、相続放棄をされた方が確実に安全です。

Q.相続放棄をしようと思ったらもう3か月の期限が近付いています。間に合いますか?
A.財産や借金の調査をしているのにその量が膨大で終わらないなど、一定の条件のもと、3か月の期限(熟慮期間といいます。)を家庭裁判所に申し立てて期限を伸ばしてもらう手続はあります。この申立ては相続放棄と同じ3か月の期限までにしないといけません。

ただ、これは単に相続放棄の存在を知らなかった、必要書類の準備が遅れた、といった理由では受け付けてもらえませんので、このような理由で期限が近付いている場合は専門家の手を借りるなどして、素早く動ける方法で解決しましょう。

Q.相続放棄の手続は、家庭裁判所で行うと聞きましたが、裁判所に呼び出されることがあるのでしょうか。
A.申述書(申立書)を管轄の家庭裁判所に提出する方法で行いますが、郵送でも構いません。

一般的には、後日、家庭裁判所から照会書が送られてくるので、それに回答して返送します。その後、裁判所から「相続放棄申述受理通知書」が届けば、無事相続放棄の手続が完了となります。

提出した書類に問題がなければ基本的には郵送だけて手続が完了し、裁判所から呼び出されることはありません。ただし、管轄の家庭裁判所によっては手続が若干異なることもあります。

Q.相続放棄をしたら、遺族年金はもらえないのですか?
A.遺族年金は受け取れます。また遺族年金をもらっていても、相続放棄はできます。

Q.相続放棄をしたら、故人の未払いの住民税や所得税を支払わなくてよいのですか?
A.相続放棄をすれば、その方については故人の住民税や所得税の支払義務はありません。

Q.夫が亡くなりましたが、住宅ローンが残っています。ローンを支払っていけないので、相続放棄をしたほうが良いですか?
A.住宅ローンを利用する際に、団体信用生命保険に加入している場合であれば、本人が亡くなった場合に保険金がおりて、その保険金でローン残額が支払われます。この場合、残った住宅ローンを相続人が支払う義務はなくなります。

もし相続放棄をしてしまうと、自宅を手放さなければなりません。安易に相続放棄を選択せず、まずは団体信用生命保険に加入しているかどうかを確認されることをおすすめいたします。

Q.親に借金があることが判っており、親が亡くなったあと、借金のゴタゴタに巻き込まれたくありません。生前に相続放棄をしておきたいのですが…
A.今の民法では生前に相続放棄をすることは認められておりません。したがいまして、相続放棄ができるのは相続開始後に限られています。

「相続財産に手をつけない」「スケジュールをきっちり守る」など、いくつかの注意点さえ守れば基本的には受付されるものですのでご安心ください。

なお、相続放棄自体はできなくとも、相続放棄を前提に準備できることもありますので、アドバイスを受けられたい場合はご相談するのもおすすめです。


今日の内容は、相続放棄を検討する上での基礎知識のようなものです。

明日は【個別対応】のご質問を解説いたします。

 

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